■マコの傷跡■

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chapter 20



~ chapter 20 “家族会議” ~




伯母の家に行くと伯母は話をちゃんと聞いてくれた。
ひと月、家に帰ってない事。ずっと友達の家を転々としていた事。
父が怒った事と、それで帰ろうとしたけど帰れなくなった事。
そして母にも追い出されたこと。

伯母の横で黙って話を聞いていた伯父が
「ひと月も娘が家に帰らないでいるのに、探しもしないなら放っておけ!
親が捜すまで、ずっと家においておけばいい!」と怒った。
伯父はいつも寡黙な人で、怒るのを初めて見た。
私は涙が止まらなかった。

伯母はしばらく考えていたが、それでは解決を先延ばしにするだけだと言い
やはり家族を呼んで話し合う必要がある、と言った。

父に電話をした伯母は父を怒っていた。
「真琴が家に帰れずにひと月も友達の家を転々としていたのに
どうしてなんとかしてやろうとしなかったの!!
行く先もなくなって、可愛そうに頭の中真っ白になって今ここに居るわよ!
親の都合で子供を振り回すのはいい加減にしなさい!!
話し合いをするから、とにかく明日あなたも家に来なさい。」
私は泣き疲れて完全に脱力し、
焦点の定まらない目でぼんやり宙を見ながらそれを聞いていた。

話し合いは翌日、伯母の家で行われた。
父と、兄と、姉も県外から産まれたばかりの子供を抱いて来てくれた。

まず、どうしてそんなに家に帰るのが嫌なのか、と聞かれた。
兄が居る所で本当の理由は言えなかった。
黙っていると次に、真琴はどうしたいのか、と聞かれた。
「お父さんとお母さんから半分づつお金をもらって1人暮らしがしたい。」
無茶な要求だったと思う。案の定それは却下された。

「どうしてそんなに家に帰りたくないんだ!!」そう怒る父に伯母は、
「帰りたくないって言ってるものは帰りたくないのよ!
理由はどうあれ真琴の気持ちをまずそのまま受け入れなさい!」と怒った。

その後、兄に蹴られたり苛められたりするんだ、とはなんとか伝えたが
結局、兄も居る父親の家に帰る事になった。
昔、兄にされた事はやはり言えなかった。




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